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HOME > 研究・実践事業 >令和元年度(2019年度)> (主催事業)エコ・フォビアの防止策

研究・実践事業


エコ・フォビアの防止策
~パパとママのための森のアウトドアライフ入門~


開催日時:令和元年11月2日(土)~3日(日)
開催会場:三浦YMCAグローバル・エコ・ヴィレッジ(神奈川県三浦市)

開 催 内 容

1.参加費
大人:11500円  子ども:10000円

2.対象
聖徳大学附属幼稚園の親子

3.実施日
 令和元年11月2日(土)~3日(日)

4.実施場所
三浦YMCAグローバル・エコ・ヴィレッジ(神奈川県三浦市)

5.主宰
神谷 明宏(聖徳大学児童学科 准教授,聖徳大学生涯学習研究所 研究員)

6.内容
森の探検,手作り楽器で音楽あそび,キャンプファイヤー,野外炊飯
キャンプクラフト,ビーチコーミング

実 施 報 告

課題別研究「パパとママの森のアウトドアライフ入門」報告書

児童学科 准教授 神谷明宏

「エコ・フォビアの防止策~パパとママのアウトドアライフ入門~」は現在アメリカの都市部で子育てする家族の課題となっている『エコ・フォビア(自然忌避症候群)』や『エアラップド・キッズ(過保護)』について保護者に気付いてもらうためにファミリーキャンプを活用する方法を研究する目的で開催されました。今回は昨年度ご参加いただいた2家族がリピーターとして再度参加し、合計4家族15名(大人8名・こども7名)での活動となりました。会場は昨年度に引き続き三浦YMCAグローバル・エコ・ビレッジです。昨年は“海”をテーマにプログラムを構成しましたが、今年は“森”をテーマにしたのですが、ちょうど台風15号通過後の被害跡がいたるところに残り、活動プログラムに若干の制限がありました。
 1日目、全員集合して昼食後はキャンプ場をめぐる“探検ハイキング”です。台風で大木が根っこから持ち上げられ倒れたり、幹の途中からねじり切られている木の姿に台風の猛威を感じて全員が驚いていました。砂浜まで下りて楽器作りの材料であるビーチグラスや貝殻を拾ったのですが、子どもたちは、途中からは波に向かって石投げをしたりしてあそびまくり、宿舎への帰りの道も植込みの下に入り込んだりと大騒ぎです。私が子どもたちに何か見つけたかい!とけしかける様子を見て、保護者からは「自分たちだけなら目的の材料集めをしたらさっさと引き上げ、こんな道草に付き合わないだろう」「目的の無いこういう時間を大切にするんですね」という言葉を聞くことができました。部屋に戻り、さっそく今夜のキャンプファイヤーで使う楽器(太鼓とマラカス)を親子で協力して手作りしました。その後、今回の台風で森の中のテントサイトが使えないため、急遽運動広場でテント宿泊を希望する3家族のため全員で協力して“テント設営”をしました。保護者の方(母親!)から「こんなに簡単に建つのなら防災用具の1つとして用意したい」「購入したいがどんなテントがよいか相談に乗って!」という声が聞かれた。夕食後はいよいよお待ちかねの“キャンプファイヤー”です。真っ暗な森の中をファイヤー場に向かう時、「こんな真っ暗な体験は初めてです」と保護者達、子どもたちはみんな緊張でおっかなびっくりで歩いていきます。お父さんを中心にまき組みをして火をつけるとみんなの顔が明るく照らし出されいよいよファイヤーの始まりです。さっそく先ほど作った太鼓で音楽あそびの始まりです。助手の小林さんのキーボードによる伴奏と指揮で,“ドラムサークル”で心を一つにすると,子どもたちはノリノリ!お父さんお母さんもさまざまな民族楽器を手にセッションに参加して,おなじみのディズニー曲や幼児曲を楽しみ,最後は参加者からリクエストのあった「パプリカ」で盛り上がりました。フィナーレはお馴染みの“スモアーズ(焼きマシュマロ)”で子どもたちのプログラムは終了です。夜、子どもたちの就寝を待ってやっとお父さんお母さんの子育て談義の時間です。ここではもっぱら自分たちが家族で出かけるためのテントや必要な道具についての質問になりそうになったので、私のほうからキャンプ活動をとおして子どもが身につけるべき非認知能力とそれを可能にする保護者のあそび支援について話をさせていただきました。その後、保護者の方々からは年間をとおして活動ができないか?せめて、冬か春に雪上活動も実施して欲しい!等の要望が出され、私からは検討しますとお答えをしました。
 2日目、昨日テントで宿泊した子どもたちと保護者を起こして“テント撤収”。夏用の寝袋を二重にして寝たせいか充分寝ることができたとのことで、撤収寸前まで寝ていた子も・・・
朝食後は今回の記念品になる“焼き板のプレート作り”です。お父さんがバーナーで杉板を焼き、それに磨きをかけて木目を出した杉板に昨日海岸で拾った貝やビーチグラスをグルーガンを使ってお母さんと貼り付け、そこに子どもたちがアクリル絵の具で文字や絵を描いて完成したプレートはどれも傑作ぞろいでした。最後の食事は“野外炊事(BBQ)”です。まずはまき割。子どもたち一人一人がまきの割り方を練習します。昨日まで落ち着きの無かった子も真剣な表情で取り組み、全員がまき割をマスターしました。その後、子どもたちはお母さんと一緒に野菜を切ったり、かまどに割ったまきを積み上げて火をつけて焼きリンゴの用意をしたり大忙しです。お父さんの興味はもっぱらBBQグリルで木炭に火をつけることです。木炭に火をつける方法を伝達するとさっそく実践開始、野菜から網焼きと鉄板焼きのスタートです。その頃には作業に飽きた子どもたちがお皿を持って焼きあがるのを今か今かと待っています。まさにお父さんの腕の見せどころで、焼きあがるそばからどんどん平らげていきます。うちの子がこんなに野菜を食べるの初めてです!との声も聞かれ、みんなで一緒にキャンプ活動することの意味が垣間見られ、食後は熾火で焼いた焼きリンゴをみんなで楽しみ、みんなで後片づけ。
このように私にとっても学びのあった楽しい2日間はあっという間に解散の時間になりました。