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HOME > 研究・実践事業 >令和元年度(2019年度)>(主催事業)高齢社会支援を考える

研究・実践事業


高齢社会支援を考えpart7~誰も一人にしない横須賀市のES事業について〜


開催日時:令和2年1月24日(金)16:00~18:00
開催会場:聖徳大学生涯学習社会貢献センター(10号館)5階

開 催 内 容

1、参加費
無料(事前申し込み不要)

2、対象
一般市民、学生、行政、福祉関係者

3、会場
聖徳大学生涯学習社会貢献センター(10号館)5階(千葉県松戸市松戸1169)

4、主催
聖徳大学生涯学習研究所

5、講師
①横須賀市役所福祉監 北見万幸 氏
②毎日新聞社社会部 記者 滝野隆浩 氏

6、コーディネーター
・長江 曜子
聖徳大学 児童学部児童学科 教授、聖徳大学 生涯学習研究所 所長

7、内容
日本社会は今、人口減少と高齢者の増加が同時にやってきています。松戸市を中心とした千葉県東葛地域に視点をあててみても、65歳以上の高齢者の割合は、約25%と高い数値になっています。つまり、東葛地域に住む4人に1人が高齢者であり、今後も高齢者人口がますます増加することが予想されています。

今回の課題別研究会では、「高齢者が最後まで地域で元気に暮らす」をキーワードに、横須賀市役所で経済的に余裕のない高齢者を対象に死後の手続きなどを支援する「エンディングプラン・サポート事業」をしている北見万幸さんをお招きし、高齢者支援の現状と課題や解決策についてお話いただきます。

実 施 報 告

 令和2年1月24日(金)午後4時から6時まで、聖徳大学生涯学習社会貢献センター(10号館)5階にて、参加者30名で、課題別研修会が開催されました。参加者の中には、遠方は愛知県からの参加もありましたが、近隣は東京都、千葉県柏市、白井市、松戸市などからの参加もあり、一人暮らしの高齢者支援問題に関心ある方々が当日多数参加しました。
 当日は、全国的に有名な神奈川県横須賀市の福祉部専門官である北見万幸さんから、横須賀市のES(エンデイングサポート)事業を立ち上げるきっかけのお話しと、たった7万円で実現している高齢者のES登録制度に実際を伺いました。とても、現場主義の大変生々しいお話でした。鉛筆で、自分の死後のことをお願いと書かれたメモを見つけたことや、携帯電話の普及で身元は分かっているのに遺骨の引き取り手とつながらない事例がなんと5倍に増えている事実は、実に驚きでした。本当に身元不明の行旅死亡人は、全く増えていないのだそうです。ES登録制度で、登録している項目のベスト3は、①緊急連絡先(全員と言いたいが2名は登録先が書けないそうです)②エンデイングノートの保管場所 ③お墓の場所だそうです。ES事業は予算でなく、やる気があればできる情報を行政が預かり、いざというときに照会に応じられるのです。
 毎日新聞社会部編集委員、コラム「掃苔記」や「身じまい」シリーズで著名な瀧野隆浩さんからは、新潟県長岡市の医療・介護・高齢者見守りシステムの紹介や、大分県別府市の事例を紹介されました。超高齢社会や人口減少社会の地方都市の方が、逆に切実な一人暮らしの高齢者事情に、手厚い取り組みと工夫がみられることを教えて頂きました。
 65歳以上の高齢者の三世代同居は、全国平均3割を切りました。高齢の夫婦の世帯、一人暮らし世帯がほとんどで、子どもがいてもいなくても老後の不安は同じです。令和時代に、2045年まで、多死社会が進行する中、いかに尊厳ある人間として、生を全うしあの世に旅立てるか、そんな安心できる社会の実現に向けて、研究を進めていかなければなりません。
(長江 曜子 記)