研究・実践事業
高齢社会支援を考える~最後まで地域で元気に暮らすためにpart.5~
開催日時:平成30年3月20日(火) 10:30~12:30
開催会場:聖徳大学生涯学習社会貢献センター(10号館)5階
開 催 内 容
▶チラシ(PDF)
1、参加費
無料(事前申し込み不要)
2、会場
聖徳大学生涯学習社会貢献センター(10号館)5階(千葉県松戸市松戸116
9)
3、主催
聖徳大学生涯学習研究所
4、講師
・滝野 隆浩
毎日新聞社社会部編集委員。毎日新聞朝刊で「身じまい練習帳」を連載(隔週)。
5、コーディネーター
・長江 曜子
聖徳大学児童学部童学科 教授、日本葬送文化学会 会長、聖徳大学生涯学習研究
所 所長
6、内容
日本社会は今、人口減少と高齢者の増加が同時にやってきています。松戸市を
中心とした千葉県東葛地域に視点をあててみても、65歳以上の高齢者の割合は、
約25%と高い数値になっています。つまり、東葛地域に住む4人に1人が高齢者で
あり、今後も高齢者人口がますます増加することが予想されています。
今回の課題別研究会では、「高齢者が最後まで地域で元気に暮らす」をキーワ
ードに、毎日新聞朝刊連載「身じまい練習帳」でおなじみの滝野隆浩さんをお招
きし、高齢者支援の現状と課題についてお話いただきます。
実 施 報 告
高齢社会支援を考える~最後まで地域で元気に暮らすためにpart.5~ 報告
3月20日(火)10:00~12:30に、聖徳大学生涯学習社会貢献センター(5階)で、高齢社会支援を考える~最後まで地域で元気に暮らすためにPart.5~を開催しました。
日本社会は、「社会構造や家族の変容」「生涯未婚率の上昇」等の影響で、今後ますます独りで暮らす方が増えることが予想されています。そういった社会情勢の中で「人と人とが緩やかに繋がる仕組みづくり」「支え合う構造の構築」が求められています。本研究会では、毎日新聞社編集委員の滝野隆浩氏をお招きし、「“いのちのほとり”でおきていること」と題し、ご講演いただきました。
滝野氏のご講演では、長年の記者としての取材を通して見えてきた、「終活ブームの現状と課題」「社会の豊かさや社会構造の変化と葬送」「周死期の課題」等についてお話いただきました。
お話の中で大変印象的だったのは、1990年前後から「合葬簿」「永代供養」「散骨」「自然葬」等の、今まで少数派だった弔いの形が徐々に一般化していったというお話でした。その頃から20年弱経過した今日は、こういった弔いの形は珍しいことでは無くなっています。たった20年弱で、こうも変化してしまうことに、社会の急速な変化をあらためて感じました。次の20年で「弔いの形はどのように変化していくか」「変えるべきではないことは何なのか」、私自身非常に考えさせられる内容でした。
最後に、滝野氏の講演の中で印象的だった言葉をご紹介します。「一人で家でなくなることが悲惨なわけではない。死後何日も何か月も発見されないという孤独死は、その人が人生の最後に誰ともつながりがなかったことを現しているから悲惨なのだ」(菅野久美子さんの著書『孤独死大国』より)。
参加した方々が「周死期をどう生きるか」を考えていく契機となるような研究会でした。講師をお引き受けいただいた滝野氏、そして参加して下さった皆様に感謝を申し上げます。
(文責 有川かおり)